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RGBミュウの封入率についての予測

目次

背景

  • ポケモンカードゲーム30周年記念の拡張パック「30th CELEBRATION」(2026年9月16日発売)に封入されている「RGBミュウ」というシークレットカードが話題になっている
  • 赤・緑・青の3種類が存在し、フリマでの成約価格が数十万円単位という非常に高いレアリティのカード
  • 公式からは封入率が公表されておらず、開封報告などの断片的な情報から推定するしかない状況
  • 現時点で分かっている情報を整理し、統計的にどこまで言えるかをまとめておく
  • この調査はすべてAIにやってもらったログ

製品の基本情報

公式サイト・販売情報から確認できる、拡張パック「30th CELEBRATION」の基本情報。

項目内容
発売日2026年9月16日(世界同時発売)
1パックの価格360円(税込)
1パックの内容キラカード6枚(すべてランダム封入)
1BOXの価格7,200円(税込)
1BOXのパック数20パック

このほか、FURレアリティのミュウex(ミュウex FUR)を含む上位商品「30th CELEBRATION FUTURISTIC BOX」(27,500円)も存在する。後述の652パック開封調査(ミュウex FUR 3枚・ミュウツーex FUR 5枚)を単体で換算すると、ミュウex FURは約1/11.3BOX、ミュウツーex FURは約1/7BOX、どちらか一方という条件では約1/4.6BOXとなり、RGBミュウとは別枠の、比較的引きやすいレアリティとして位置付けられている。

RGBミュウとは

  • 30th CELEBRATIONに封入されている、赤・緑・青の3色で展開されたシークレットレアのミュウ
  • 「RGB」は色名の頭文字で、ゲームボーイ版の赤・緑・青にちなんだデザインと見られる
  • フリマサイトでの成約価格は、色によって差はあるものの中央値で40万〜50万円前後、個体差により29万〜53万円台まで幅がある
  • 店頭買取価格も赤で40万円、緑・青で30万円前後という水準

封入率に関する公開情報

公式からの封入率発表は無く、確認できる情報は「発売前の噂」と「発売後の実測1件」に分けられる。

発売前に流れていた噂

発売前の時点では、少なくとも4つの異なる数字が同時に出回っていた。

目安
カートンに1〜2枚1カートン12BOX(240パック)あたり1〜2枚
1,000BOXに1枚Yahoo!知恵袋などで見られた噂
2万パックに1枚約1,000BOXに1枚に相当
10万パックに1枚約5,000BOXに1枚に相当(「金のバージョン」として)

参考として、同じ30th CELEBRATION内の他レアリティの過去実績は、SRが約1枚/BOX、SARが約1枚/3〜5BOX(60〜100パックに1枚)、URはSARよりさらに少ないとされている。「カートンに1〜2枚」はSARと同水準になってしまい隠し玉として弱く、「2万パックに1枚」はSARの200倍以上でほとんどの人が一生出会わない水準になる、という評価がされていた。

発売後の実測

日本語圏・英語圏でそれぞれ独立した実測データが1件ずつ確認できた。

調査開封数出現数情報源
カートンナイト情報局(日本語圏)2,400パック(120BOX、10カートン相当)1枚発売日開封調査
Tommy13 / r/PokemonTCG(英語圏)4,063パック1枚Redditコミュニティが配信者の開封を集計
  • どちらも「たまたま1枚出た」という単一の観測イベントであり、複数回・複数箱での再現性が確認されたものではない
  • 情報元自身も「サンプルが小さく、上振れ・下振れの両方がありうる数字」と明記しており、いずれか一方だけを確定値として扱うのは危険
  • ただし、日本語圏・英語圏で独立に集計された2つのデータが存在するため、両者を合算することでより精度の高い推定が可能になる

サンプルから、どこまで言えるか

日本語圏(2,400パック中1枚)・英語圏(4,063パック中1枚)それぞれの観測値は点推定としては近い値になるが、サンプル数が小さいため、実際の封入率がどの範囲にありうるかを信頼区間で評価する必要がある。以下、Wilson score intervalで95%信頼区間を計算する。

$$ \hat{p} = \frac{x}{n} $$

Wilson score intervalの中心と誤差幅は、以下の式で求められる。

$$ p_{center} = \frac{\hat{p} + \dfrac{z^2}{2n}}{1 + \dfrac{z^2}{n}}, \qquad \text{margin} = \frac{z}{1+\dfrac{z^2}{n}} \sqrt{\frac{\hat{p}(1-\hat{p})}{n} + \frac{z^2}{4n^2}} $$

$z=1.96$(95%信頼区間)として、日本語圏・英語圏それぞれの単独データと、両者を合算した場合($x=2$、$n=6{,}463$)を計算すると、以下の結果が得られる。

データパック単位 点推定パック単位 95%CIBOX単位 点推定BOX単位 95%CI
日本語圏のみ(1/2,400)0.042%0.007%〜0.236%約1/120BOX約1/680〜1/22BOX
英語圏のみ(1/4,063)0.025%0.004%〜0.139%約1/204BOX約1/1,151〜1/36BOX
合算(2/6,463)0.031%0.009%〜0.113%約1/162BOX約1/590〜1/45BOX
  • 独立した2つのデータを合算すると、点推定は約1/162BOXに収束し、95%信頼区間も約1/590〜1/45BOXまで、単独データ(最大で約1/680〜1/21BOX)よりやや狭くなる
  • それでも合算後の区間の上限・下限は13倍近い差があり、サンプル数が数千パック程度では、まだ大きな不確実性が残ることに変わりはない
  • サンプルが増えるほど、この区間は理論上さらに狭まっていく

何BOX開封すれば手に入るか

封入率の点推定を仮に$p=1/120$(BOX単位)とした場合、$N$BOX開封して少なくとも1枚手に入る確率は、二項分布から以下のように計算できる。

$$ P(\text{少なくとも1枚}) = 1 - (1-p)^N $$

これは「$N$BOXすべてでハズレる確率」を1から引いたもの。この式から、目標とする到達確率に必要なBOX数を逆算すると、以下のようになる。

到達確率必要なBOX数
50%約83BOX
90%約276BOX
95%約358BOX
99%約551BOX

逆に、具体的なBOX数を開封した場合の累積確率は以下の通り。

開封BOX数少なくとも1枚出る確率
60BOX約39.5%
120BOX約63.4%
240BOX約86.6%
360BOX約95.1%
500BOX約98.5%
  • 「120BOXに1枚」という点推定は平均的な間隔であって、120BOX開封すれば半分以上の確率で当たる、という意味ではない。実際には120BOX開封しても、少なくとも1枚手に入る確率は約63%にとどまる(約37%はまだ0枚)
  • 高い確率(95%以上)で確実に入手したいなら、点推定の約2〜3倍にあたる350〜550BOX程度の開封が目安になる
  • これはあくまで点推定$p=1/120$を真の値と仮定した場合の計算であり、前述の95%信頼区間(約1/45〜590BOX)の幅を踏まえると、実際に必要なBOX数はこの表よりも大きく振れる可能性がある

1/151BOXという仮説

ミュウは図鑑番号151番のポケモンであり、「封入率が1/151BOXになるよう意図的に設計されているのでは」という仮説が考えられる。この仮説が観測データと整合するかを検証する。

  • 1/151BOXという仮定をパック単位の確率に換算し、合算データ($n=6{,}463$パック)に当てはめると、期待される出現数は約2.15枚となる
  • 実際の観測値は2枚であり、期待値とほぼ一致する
  • 1/151BOXに相当するパック単位の確率(約0.033%)は、合算データの95%信頼区間(0.009%〜0.113%)にもきれいに収まっている
  • 二項分布で「1/151BOXが真の値だとして、6,463パック中2枚以上観測される確率」を計算すると約63%となり、今回の観測結果は1/151BOXという仮説の下でも十分にありうる範囲

現時点のデータ量では1/151BOXという仮説を積極的に裏付けることも、否定することもできないが、少なくとも矛盾はしておらず、ミュウの図鑑番号にちなんだ意図的な設計だとしても不自然ではない水準にある。

フリマ出品数の比率から逆算する

開封調査とは独立したアプローチとして、同じ製品に封入されているFURレアリティ(ミュウex FUR・ミュウツーex FUR)の実測封入率と、Yahoo!オークションでの落札件数の比率を使う方法がある。

  • 前述の652パック開封調査(ミュウex FUR 3枚、ミュウツーex FUR 5枚)をFURレアリティの基準として使う
  • ただし、これも公式確定値ではなく、1件のコミュニティ調査に基づく推定値に過ぎない点には注意が必要。FUR合計(8/652)のWilson score interval(95%)は0.623%〜2.402%で、点推定(1.227%)に対して約3.9倍の幅がある
  • 「実際に引かれた枚数」と「Yahoo!オークションでの落札件数」がある程度比例すると仮定すれば、落札件数の比率からRGBミュウの封入率を逆算できる
  • 商品自体が発売4日後の時点なので、180日間の落札集計は実質的に発売以降の全期間をカバーしている

「ミュウ RGB」でそのまま検索すると180日間で67件がヒットするが、中身を確認すると、実物のRGBミュウ単体カードとは言えないものが多数混入していた。

  • 999円の「手描きイラスト ポケモンカード風 ミュウ オリジナルカード」のようなファンアート作品(実物カードではない)
  • 「超高重量パック」のような、未開封パックを重さで選別して販売する商品(RGBミュウが実際に封入されているかどうかは未確定)
  • 「5パックセット」のような、複数パックのまとめ売り

これらを除外し、公式のカード型番「M6a」を含み、パック・セット・手描きを除いた条件で検索し直すと、件数は23件まで減った。価格帯も最安39,000円〜最高540,000円と、実物カードとして妥当な範囲に収まっている。

Yahoo!オークションの180日間落札件数(洗い直し後)は以下の通り。

カード落札件数
ミュウex FUR1,311件
ミュウツーex FUR1,158件
FUR合計2,469件
ミュウRGB(3色合計、洗い直し後)23件

以下の式で、落札件数比からRGBミュウの確率を逆算する。

$$ P(\text{RGB}) \approx P(\text{FUR}) \times \frac{\text{RGBの落札件数}}{\text{FURの落札件数}} $$
基準落札件数比逆算したRGB確率BOX換算
ミュウex FURのみ23/1,311 ≈ 0.018約0.008%/パック約1/620BOX
FUR合計23/2,469 ≈ 0.009約0.011%/パック約1/438BOX

「落札数」ではなく「出品数」で計算し直す

ここまでは180日間の落札数(=売れた件数)を使ってきたが、これは需要側(売れやすさ)の影響を受ける指標であり、供給側(実際に何枚が市場に出てきたか)を見たいなら本来ふさわしくない可能性がある。特にRGBミュウのような高額カードは、FURより売却までにかかる時間(滞留期間)が異なりうる。

在庫のスナップショット量は、Little’s Lawとして知られる関係で近似できる。

$$ \text{出品数(スナップショット)} \approx \text{供給の流入率} \times \text{平均滞留期間} $$

つまり、同じ流入率(=同じ封入率)であっても、売れるまでの時間が長いカードほど、ある瞬間の出品数は多く見える。この効果を確認するため、現在アクティブな出品数で同じ計算をやり直す。

カード現在の出品数
ミュウex FUR87件
ミュウツーex FUR70件
FUR合計157件
ミュウRGB(3色合計、洗い直し後)3件
基準出品件数比逆算したRGB確率BOX換算
ミュウex FURのみ3/87 ≈ 0.034約0.016%/パック約1/316BOX
FUR合計3/157 ≈ 0.019約0.023%/パック約1/214BOX
  • 出品数(スナップショット)で計算すると、落札数(累計)で計算した場合(約1/438〜620BOX)よりも、RGBミュウがおよそ2倍「引きやすい」という結果(約1/214〜316BOX)になった
  • この差は、RGBミュウの方がFURより滞留期間が長く(高額なぶん買い手がつくまで時間がかかり)、Little’s Lawにより流入率以上にスナップショット在庫が積み上がっているためだと考えられる

ただし、出品数(スナップショット)にも別のバイアスが疑われる。RGBミュウのような超高額カードは、引いた人が「すぐに売らず保有しておく」という判断をする割合がFURより高いと考えられ、そもそも市場に出てくる割合(上場率)自体がRGBの方が低い可能性がある。この保有バイアスは、落札数・出品数のどちらも実際の流通量より過小評価させる方向に働き、滞留期間バイアスとは逆方向になる。

より良い指標: 「これまでに市場に出た総数」

滞留期間バイアスを避けるには、ある瞬間のスナップショットではなく、発売から現在までに市場に出た総数(=落札数+現在の出品数)を使う方が望ましい。

カード落札数出品数合計出現数
ミュウex FUR1,311871,398
ミュウツーex FUR1,158701,228
FUR合計2,4691572,626
ミュウRGB(3色合計)23326
基準出現件数比逆算したRGB確率BOX換算
ミュウex FURのみ26/1,398 ≈ 0.019約0.009%/パック約1/585BOX
FUR合計26/2,626 ≈ 0.010約0.012%/パック約1/412BOX
  • この合計出現数は、落札数(絶対数で出品数を大きく上回る)にほぼ引っ張られるため、結果は「出品数のみ」(約1/214〜316BOX)よりも「落札数のみ」(約1/438〜620BOX)に近い、約1/412〜585BOXとなった
  • つまり、先に見た「出品数ベースの推定が直接推定に近かった」という結果は、母数がわずか3件という小さいサンプルによる偶然のブレだった可能性が高く、より頑健な指標に切り替えると、この一致は再現しない

この方法全体への評価

ここまでの計算をまとめると、同じ「FURとの比率」という発想でも、何を数えるかによって結論が大きく動いた。

集計方法逆算したBOX換算(FUR合計基準)
落札数(ノイズ込み、67件)約1/151BOX
落札数(ノイズ除去後、23件)約1/438BOX
出品数(スナップショット、3件)約1/214BOX
落札数+出品数(合計出現数、26件)約1/412BOX
  • 検索キーワードのノイズ除去だけで約3倍、集計方法(落札数 vs 出品数 vs 合計)を変えるだけでさらに数倍、結論が動く
  • さらに、基準にしているFUR合計の値自体が点推定に過ぎず、その95%信頼区間(0.623%〜2.402%)をそのまま伝播させると、推定レンジはさらに広がる
  • 「前提として使っている数字自体が不確かな推定値」である以上、そこから逆算した数字も同程度以上に不確かになる。推定の上に推定を重ねても、不確実性は足し算ではなく掛け算的に増える

この推定には、ノイズ除去・前提の不確かさ・集計方法以外にも弱さがある。

  • 「引かれた枚数とオークションでの取引が比例する」という前提は完全には成り立たない可能性がある
  • RGBミュウは1枚数十万円という高額カードで、一般的なオークション・フリマではなく専門店経由の個別取引で流通する割合がFURより高いかもしれず、その場合オークションの数字は実際の流通数を過小評価する
  • 逆に「-パック -セット -手描き」という除外条件が、正規の単体カード出品まで誤って除外してしまった可能性もある

以上を踏まえると、この方法から得られる数字は、開封調査の直接推定を裏付けるとまでは到底言えず、参考程度の傍証にすらならない可能性がある。検索キーワード・集計方法(落札数か出品数か)・基準にしたFURの値、という3つの選択それぞれで結論が数倍動くという事実は、この記事の他の箇所でも繰り返している「データはクレンジングして初めて使える」「何を測るか(落札数か出品数か)という設計そのものが結論を左右する」という教訓そのものになっている。

前例との比較: 25th ANNIVERSARY COLLECTION

  • 2021年発売の25周年記念パックにも、同様の位置付けで色違いミュウUR(ウルトラレア)が封入されていた
  • 当時の開封報告では、体感10〜20BOXに1枚程度という報告が複数見られる
  • 今回のRGBミュウの合算後の点推定(約162BOX)は、前回の色違いミュウURよりも一桁以上レアな方向にある
  • ただし、上で計算した合算後95%信頼区間の上限(約45BOX)でも、25th ANNIVERSARY COLLECTIONの体感値のレンジと完全には重ならず、今回のRGBミュウは前回よりも明確にレアである可能性が高い

まとめ

  • RGBミュウの封入率は公式非公表で、発売前には4つの異なる噂(カートンに1〜2枚〜10万パックに1枚まで)が同時に出回っていた
  • 発売後の実測データは、日本語圏(2,400パック中1枚)・英語圏(4,063パック中1枚)でそれぞれ独立に1件ずつ確認でき、両者を合算すると6,463パック中2枚になる
  • 合算後の点推定は約162BOXに1枚(パック換算0.031%)で、Wilson score intervalによる95%信頼区間はBOX換算で約45BOX〜590BOXまで、単独データより幾分狭まった
  • ミュウの図鑑番号(151番)にちなんだ「1/151BOX」という仮説も、観測データと矛盾しない範囲に収まっている
  • FURレアリティとの比率から逆算する方法も試したが、検索ノイズの除去・落札数と出品数のどちらを使うかという選択だけで結論が約1/151〜620BOXまで数倍動いた。滞留期間バイアスと保有バイアスが逆方向に働くため、より頑健な「落札数+出品数の合計出現数」に切り替えると約1/412〜585BOXに落ち着いたが、基準にしたFUR自体の封入率も1件のコミュニティ調査に過ぎずその信頼区間を伝播させると推定レンジはさらに広がるため、直接推定の裏付けとしてはほぼ機能せず、参考程度にすらならない
  • 25th ANNIVERSARY COLLECTIONの色違いミュウUR(体感10〜20BOXに1枚)と比べると、合算後の信頼区間でも重ならず、今回のRGBミュウの方が明確にレアである可能性が高い
  • それでも数千パック規模のサンプルでは不確実性はまだ大きく、今後さらに開封報告が積み重なるにつれて、この区間はより狭まっていくはず

参考文献

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