目次
Background
- 仕事でメカトロニクスの理解が必要になった
- 昔習ったが、もう電気を全く覚えていない
- また、電子工作系の知識も不足している
- 漏電して感電するのも怖いので改めて学習した
電気
電気(Electricity)とは
- 電気は、電子やイオンなど、電荷を持つ粒子の動きや性質に関係している
- とくに金属の中では、電子が動きやすく、その流れを利用したものが電気である
電気と水の例え
水にたとえると分かりやすい。
- 電流 = 水の流れる量
- 電圧 = 水を押し出す力、水圧
- 抵抗 = 水の流れにくさ、細い管や詰まりのようなもの

| 電気部品・概念 | 水の例え | イメージ |
|---|---|---|
| 抵抗器 | 細い管 | 水の流れをわざと流れにくくする |
| 可変抵抗 | 開き具合を変えられるバルブ | 流れにくさを調整できる |
| インダクタ / コイル | 重い水車・慣性のある水流 | 急に流れ始めたり止まったりするのを嫌う |
| コンデンサ / キャパシタ | 一時的に水を貯めるタンク | 電荷を一時的に蓄える |
| トランジスタ | 小さな水流で大きなバルブを操作する装置 | 小さな信号で大きな流れを制御する |
| ブレーカー | 自動停止バルブ | 流れすぎたら自動で止める |
| IC | 複雑な水路システム | 多数の部品がまとまった回路 |
| スイッチ | 蛇口・バルブ | 流れをON/OFFする |
| 導線 | 水道管 | 電気の通り道 |
| ダイオード | 逆流防止弁 | 一方向にだけ流す |
| LED | 水車+ランプ | 電流が流れると光る |
| 電池 | 化学反応でポンプを動かすもの | 電圧を作って電流を流す |
| 負荷 | 水力エネルギーを使って仕事をするもの | 例えば、電球やモーター、ヒーター |
電気と野球の例え
野球のたとえで言うとわかりやすい。
| 野球・重力のたとえ | 電気での対応 | 記号 | 単位 | 意味 |
|---|---|---|---|---|
| 野球ボール | 電子のような粒子 | — | — | 実際に動くもの |
| ボールの質量 | 電荷 | $Q$ | C(クーロン) | 電気的な「量」 |
| 場所の性質(高さ) | 電位 | $V$ | V | 電気的な高さ |
| 高さの差 | 電圧・電位差 | $\Delta V$ | V | 電荷を動かそうとする差 |
| ボールの位置エネルギー | 電気的エネルギー | $U=QV$ | J | 電荷が電位の場所で持つエネルギー |
| ボールをおける量(※1) | 静電容量(キャパシティ) | $C_{cap}=\frac{Q}{V}$ | F(ファラド) | 電圧1Vあたり、どれだけ電荷を蓄えられるか |
| ボールが落ちるエネルギー | 電荷が電圧を移動して得る/失うエネルギー | $\Delta U=Q \Delta V$ | J | 電圧によるエネルギー変化 |
| たくさんのボールが毎秒どれくらい流れるか(※2) | 電流 | $I = Q/t$ | A | 1秒あたりに流れる電荷量 |
- つまり、電位は、電子そのものの性質ではなく、「場所の性質」
- また、電気のエネルギーは重力みたいなもの。「重さ x 高さ」だから。
※1: 坂の高さ1mあたり、どれくらいボールを置ける広さ・器の大きさ、みたいなもの。なお、コンデンサに実際に蓄えられるエネルギーは 1/2 QVで、単位はJ。
※2: 重さベースで。
オームの法則
オームの法則とは
これが電気の基本中の基本。
$$ V = I × R $$
- V:電圧
- I:電流
- R:抵抗
たとえば、
- 電圧 10V
- 抵抗 5Ω
なら、電流は以下となる。
$$ 電流 = 10 / 5 = 2A $$
1. 電流(Current, I, A)
電気がどれくらい流れているかを表す。 単位は アンペア(A) である。
- たくさん流れる → 電流が大きい
- 少ししか流れない → 電流が小さい
Iで表現されるのは、current intensityから。
2. 電圧(Voltage, V, V)
電気を押し出す力である。 単位は ボルト(V) である。
乾電池1本は約 1.5V である。 家庭のコンセントは日本では普通 100V である。
電圧は電位差の事。
3. 抵抗(Resistance, R, Ω)
電気の流れにくさである。 単位は オーム(Ω) である。
- 抵抗が大きい → 電気が流れにくい
- 抵抗が小さい → 電気が流れやすい
電流を制限するのに使う。
電力と電力量
電力(Power)とは?
電気がどれだけ仕事をするかを表すものである。 単位は ワット(W) である。
式は以下である。
$$ P = V × I $$
- P:電力
- V:電圧
- I:電流
たとえば、
- 100V
- 2A
なら、
- 100 × 2 = 200W
である。
これは「その機械が200W分のエネルギーを使う」という意味である。
電力量(Energy)とは
電力量は時間あたりの電力の事。単位はWh。
$$ E = P \times t $$
energy = power × timeという事。
例えば、1000Wの電子レンジを1時間使うと、1000Wh = 1kWh の電力量となる。
電力と電力量の違い
電力量との違いは以下の通りである。
- 電力(W)は、エネルギーそのものではなく、エネルギーを使う速さである
- 電力量(Wh, kWh)は、実際にどれだけエネルギーを使ったかを表す
電荷
電子と電荷の違い
- 電子は粒子、電荷はその粒子が持っている量
- たとえば「水分子」と「水分子の質量」の関係に似ている
電荷(Charge、Q、C)
- 電荷は、物体や粒子が持つ「電気的な性質・量」
- 単位はクーロン(C: coulomb)。
- 単位のCは大文字なので注意
qの記法の違い:
- q:電子1個などの小さな電荷
- Q:まとまった電荷量
コンデンサの電荷
コンデンサに蓄えられる電荷は、次の式で表せる。
$$ Q = C_{cap} V $$
- Q:蓄えられた電荷、単位はC
- C_cap:静電容量(Capacitance)、単位はF
- V:電位差、単位はV
電流は単位時間あたりの電荷量
電流は、単位時間あたりに流れる電荷量。
$$ I = \frac{dQ}{dt} $$
- Q:電荷の量、単位はC
- I:電流、単位はA
- t:時間、単位はs
1単位
電子1つの電荷
電子1つの電荷は小さな電荷となる。
$$ −1.602×10^{−19}C $$
1C
1クーロンは1F ✕ 1Vとなる。
$$ 1C = 1F \times 1Volt $$
もしくは、
$$ Q = C_{cap} V $$
- Q:蓄えられた電荷
- C_cap:静電容量(Capacitance)、つまり電荷をどれだけ溜められるか
- V:電位差
注意: Cは「量」、Fは「入れ物の大きさ」みたいなもの。
1V
1クーロンあたりの電気的な位置エネルギー。
$$ V=\frac{U}{q} $$
- V:電位
- U:電気的な位置エネルギー、単位はJ
- q:電荷、単位はC
もしくは、
$$ 1V=\frac{1J}{C} $$
1ファラド
1ボルトの電圧をかけたときに、1クーロンの電荷を蓄えられる容量が1ファラド。
$$ 1F= \frac{1C}{V} $$
1クーロン
1クーロンの電子の個数は膨大になる。
$$ 1C≈6.24 \times 10^{18} $$
1A
1秒間に1クーロンの電荷が流れる電流が1アンペア。
$$ 1A = \frac{1C}{s} $$
つまり 1Aの電流では、断面を1秒間にだいたい
$$ 6.24 \times 10^{18} $$
個の電子に相当する電荷が通過している、ということ。
1W
$$ 1W = 1A \times 1V $$
1J
1Wの電力を1秒間消費すると、1Jのエネルギーを消費する。
$$ 1J = 1W \times 1s $$
4.2J
- 1gの水を1度温めるのに必要な仕事量は4.2J
- なので、4.2秒間流して熱が伝わると、水が1度上がる
直流と交流
直流(DC)
電気が一定の向きに流れるものである。
例:
- 乾電池
- モバイルバッテリー
交流(AC)
電気の流れる向きが周期的に入れ替わるものである。
例:
- 家庭のコンセント
回路
回路とは
電気は、ぐるっと一周できる道がないと流れない。 この電気の通り道を 回路 という。
- スイッチON → 道がつながる → 流れる
- スイッチOFF → 道が切れる → 流れない
閉路
- 電荷が循環できる道
- 閉路がないと、電荷は少し移動して溜まり、逆向きの電場を作って止まる
電池の役割
- 電池は電荷を作るものではない、
- 電荷にエネルギーを与えて、+端子と-端子の間に電位差を維持するもの
直列回路と並列回路
直列回路(Series Circuit)
直列回路とは
部品を1本の道に一直線につないだ回路である。
例:
| |
直列回路の特徴
- 電流はどこでも同じである
- 電圧は分かれる
- 抵抗は足し算になる
合成抵抗の公式
$$ 合成抵抗 = R1 + R2 + … $$
直列回路の例
2Ωと3Ωの抵抗を直列につなぐと
合成抵抗 = 2 + 3 = 5Ω
10Vをかけると
$$ I = 10 / 5 = 2A $$
各抵抗にかかる電圧は
- 2Ωの抵抗:V = 2A × 2Ω = 4V
- 3Ωの抵抗:V = 2A × 3Ω = 6V
合計すると 4V + 6V = 10V となる。
並列回路(parallel circuit)
並列回路とは
部品を枝分かれするようにつないだ回路である。
並列回路の特徴
- 電圧はどの枝でも同じである
- 電流は分かれる
- 抵抗は小さくなる
合成抵抗の公式
$$ 合成抵抗R = \frac{1}{1/R1 + 1/R2 + …} $$
2つだけなら
$$ R = (R1 × R2) / (R1 + R2) $$
つまり、並列回路の合成抵抗は、つないだ抵抗の中で一番小さい抵抗よりもさらに小さくなる。
並列回路の例
例
6Ωと3Ωを並列につなぐと
$$ R = \frac{1}{1/6 + 1/3} = \frac{1}{3/6} = 2 $$
だから2Ωである。
電位と電圧
電位(Potential)
- 電位は「ある1点がどれだけ電気的に高い/低いか」を表す量。
- 英語では electric potential または単に potential
電圧(Voltage)
- 電圧は「2点間の電位の差」
- 英語では voltage または potential difference
$$ 電圧=電位差=V_A−V_BB $$
たとえば、地点Aの電位が 5V、地点Bの電位が 2V なら、A-B間の電圧は 3V 。
電位と電圧の違い
| 日本語 | 英語 | 意味 |
|---|---|---|
| 電位 | electric potential / potential | 1点の電気的な高さ |
| 電圧 | voltage / potential difference | 2点間の電位の差 |
キルヒホッフの法則
電流則(キルヒホッフの第1法則)
- 英語だと、KCL: Kirchhoff’s current law、KCL
- 回路網中の任意の接続点に流出入する電流の和は 0(零)

$$ \sum_{k} I_k = 0 $$
電圧則(キルヒホッフの第2法則)
- 英語だと、KLV: Kirchhoff’s voltage law
- 回路網中の任意の閉路において、一巡する経路に含まれる起電力(電源)の総和と電圧降下の総和は等しい

$$ \sum_{k} V_k = 0 $$
基本的なイメージ
まとめ
電気の基礎は、まず以下の概念を押さえるとかなり楽になる。
| 項目 | 単位 | 水の例え | 定義・イメージ |
|---|---|---|---|
| 電荷 (Q) | クーロン (C) | 水の量 | 電気の粒そのものの量 |
| 電位 (V) | ボルト (V) | 水面の高さ | その地点の電荷が持つ「押す力」 |
| 電圧 (V) | ボルト (V) | 水圧(高低差) | 2点間の電位の差。電荷を動かす「駆動力」 |
| 電流 (I) | アンペア (A) | 水の流れる量 | 電荷が移動するスピード(勢い) |
| 抵抗 (R) | オーム (Ω) | ホースの細さ | 電気の「流れにくさ」 |
| 電力 (P) | ワット (W) | 水車を回す力 | 実際に使われる「エネルギーの大きさ」 |
まとめ
- オームの法則しか習わなかったので電気を全然理解していなかった
- 漏電や感電したくないので、理解を進める
