目次
背景
- GND関連について全然理解していないので調べたメモ
- 特に、普段使っている家庭用コンセントの仕組みも気になったので調べた
GND
GNDとは
- グランド(GND)とは、電位の基準点(0Vと定義する点)のこと
- そもそもなぜGNDが存在しているかというと、電圧は「2点間の差」であり、絶対値ではないため、基準となる点を決めないと電圧の値を語れないから
- 電池や安定電源、コンセントは「−から電圧を受け取って、規定の電圧を加えて+から出力する」という機能であり、GNDはその基準点として機能する
GNDを取る理由
あるYoutube動画がわかりやすかったので、そのSSを貼る。








電流
GNDと電気が流れる仕組み
- 電源から電圧が印加されて、電流が流れることで機械が動く
- 回路を一周し動かし切った電流たちはGNDと名付けられた配線に到達して、もう一度電源を通過して機械を動かせるエネルギー(電圧)を得る
- つまり電池はポンプのような役割であり、これを電池が切れるまでループし続ける
電流が流れる2つの条件
電流が生まれる2つの条件:
- 閉回路
- 電圧差
この両方が揃って初めて電流が流れる。
キルヒホッフの法則(KCL・KVL)
電流と電圧の振る舞いを厳密に記述するのがキルヒホッフの法則。
KCL(電流則):あるノード(接続点)に流れ込む電流の総和はゼロ。
$$\sum_{k} I_k = 0$$
KVL(電圧則):任意の閉ループを一周したときの電圧の総和はゼロ。
$$\sum_{k} V_k = 0$$
これを使うと、複雑な回路でも連立方程式として解ける。
電池
電池の仕組み
- 電圧は2点間の電位の差
- 電池は $V(+) − V(−) = 5\text{V}$ という「段差」を作る装置
- 電池が保証するのは「差が5V」だけ。どちらが0Vかは基準点(GND)の設定次第
- GNDは「0Vと定義する基準点」であり、物理的な地面とは別物
- 例えば、5Vの電池の+端子をGNDと定義すれば、+端子=0V、−端子=−5Vになる
電池とWireと電圧
- Wireの抵抗は(理想的に)ゼロ
- なので、Wireは電圧をそのまま伝える
- 例えば、Wireを乾電池の+端子につなげたら、Wireの電圧も+端子と同じになる
テブナン等価回路(応用)
実際の電池や電源は理想電圧源ではなく、内部抵抗 $r$ を持つ。
$$V_{出力} = V_{起電力} - I \cdot r$$
これをテブナン等価回路と呼び、どんな複雑な回路も「1つの電圧源+1つの直列抵抗」に置き換えられる。
抵抗・ショート
- 抵抗がゼロだと $V = IR$ より電流が無限大
- つまり、電池の+-端子をWireで直接つなげると、ショートして危険
- 実際には電池の内部抵抗 $r$ が存在するため真に無限大にはならないが、非常に大きな電流が流れ、発熱・発火・電池の劣化につながる
地面
- 基本的に地面は高抵抗だが、状況次第
- 地面が乾燥 ⇒ 高抵抗(数十kΩ〜MΩ)
- 湿潤 ⇒ 低抵抗(数百Ω程度まで下がることもある)
- なので、地面が濡れている場合、地面を+-端子につなげると、ショートする危険がある
- 人体の抵抗も同様に可変(乾いた皮膚:数十kΩ、濡れた皮膚:数百Ω)
GNDと地面
- 電池の+端子をGNDにすれば +端子=0V、−端子=−5V
- 回路上のGNDと物理的な地面(earth)は概念として別物
接地(アース)の種類
実務上は「GND」「アース」という言葉が複数の意味で使われる。混同しないよう区別が必要。
| 種類 | 目的 |
|---|---|
| 信号GND | 電位基準(回路の0V点) |
| 保護接地(PE) | 感電防止・筐体アース |
| 機能接地 | ノイズ除去のため意図的に大地に落とす |
| 系統接地(中性線接地) | 変圧器の中性線を大地に接続。これが中性線が0Vである理由 |
重要:家庭用コンセントの中性線が「大地に対してほぼ0V」なのは偶然ではなく、変圧器の中性線側が意図的に大地に接続(接地)されているから。
家庭用コンセント
家庭用コンセントの仕組み
2つの穴の意味は以下:
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それぞれの穴には次の電圧がかかっている。
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実効値(RMS)について
家庭用100Vは**実効値(RMS)**であり、瞬時値ではない。
$$V_{rms} = \frac{V_m}{\sqrt{2}}$$
ピーク電圧は:
$$V_m = 100\sqrt{2} \approx 141\text{V}$$
実効値とは「同じ電力を消費する直流電圧に換算した値」。
電気のつながる経路
例えば、電気ストーブなら、
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という経路ができ、ヒーター線に電流が流れて熱が出る。
家庭用電源は交流(AC)なので電流の向きは1秒間に50回(東日本)または60回(西日本)入れ替わる。
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電圧の向きが周期的に変わりながら、機器にエネルギーを渡している。
瞬時電圧は:
$$v(t) = 141\sin(2\pi f t) \quad [V]$$
$f = 50$ または $60\text{ Hz}$。
コンセントが閉路になっている
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機器をコンセントに挿してスイッチを入れると、
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という閉じた輪っかになる。
変圧器と電力系統の全体像
自宅で電気を使うと、回路は近くの柱上変圧器(画像の中のゴミバケツみたいなもの)まで戻っていく。

電力は発電所から家庭まで以下の経路で届く:
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近所の複数の家が同じ柱上変圧器を共有している。
単相3線式
実際の家庭への引き込みは単相3線式が標準。
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- ホット線1と中性線の間:100V(一般コンセント・照明)
- ホット線1とホット線2の間:200V(エアコン・IH・電気自動車充電)
感電の仕組み
なぜホット線を触ると感電するか
人間が地面に立っている=大地に接続された状態。
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この経路で閉回路が成立するため電流が流れる。中性線を触っても大地との電位差がないため感電しにくい(ただし状況次第)。
感電の危険度
電圧より電流値と経路・時間が重要:
| 電流値 | 身体への影響 |
|---|---|
| 1 mA | ピリッと感知できる程度 |
| 10 mA | 筋肉硬直、自力で離れられない |
| 50 mA | 心室細動の危険性あり |
| 100 mA〜 | 致死の可能性が高い |
人体抵抗を仮に $1\text{ k}\Omega$ とすると、100Vで流れる電流は:
$$I = \frac{V}{R} = \frac{100}{1000} = 100\text{ mA}$$
十分に致死的な電流が流れうる。
アース線(保護接地)の役割
洗濯機・電子レンジなどの3ピンプラグにある緑の線(PE線)。
- 機器の金属筐体を大地に接続
- 漏電時に人体ではなくアース線に電流を流すことで感電を防ぐ
- 漏電遮断器(ELCB)と組み合わせることで、漏電電流が一定値(通常30mA)を超えると自動遮断
ノイズとGND設計(応用)
実際の電子回路では、GNDの引き回しがノイズに直結する。
GNDループ問題
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GND点1とGND点2の間にわずかな電位差があると、ループに電流が流れてノイズ源になる(GNDループ)。
対策:
- シングルポイントGND(GNDを1点に集約)
- PCB設計でのグランドプレーン(ベタGND)の使用
- コモンモードフィルタの挿入
GNDについてまとめ
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まとめると以下になる。
| 概念 | 実体 |
|---|---|
| 信号GND | 回路の電圧基準点(0V定義) |
| 中性線 | 変圧器の一端。大地に接続されているから0V |
| 保護接地 | 筐体と大地をつなぐ安全機構 |
| 大地(Earth) | 物理的な地面。巨大なキャパシタ・基準点として機能 |
